しょーちゃん

しょーちゃんは、近所に住んじょった、生きてれば多分、40歳くらいだろう。
毎日、施設の作業に出かけるまえに、うちの玄関先に来て
「おはよう!」と声をかけていく。
しょーちゃんは、暑い夏に死んだ。何年になるかなー?
ワシのバイト先がその頃、今のとこの支店で、自宅から歩いて1分のとこにあった。
毎夜、帰ると
「おかえり!」としょーちゃんが家から声をかける。
しょーちゃんは、怖い人と優しい人がわかる。
ワシにはいつも満面の笑みで話しかける。
施設に入るまでは、対話ができんだった。
しょーちゃんは、色んな物を拾ってくる。
人にも親切だ・・失敗もするが・・ある時重たそうなスイカを持ってあげたが落として割った・・叱られたげな。
しょーちゃんが死んだ時、家の整理をしたら缶コーヒーが100本くらいあったげな、親切なことをする度もらった缶コーヒーだ。
死んだ年のお彼岸に、いつもどおり仕事の帰り道、しょーちゃんの家の前に止めてあった車の窓にしょーちゃんが満面の笑みで現れた。あれがワシへの最後のお別れだった。

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